結納入門:これから結納を迎えるあなたへ
目次
1. 結納とは? – 基本知識
結納は、結婚を前にしたカップルが、それぞれの家族との関係を深めるための伝統的な儀式。日本の歴史において、結納は両家の結束を象徴する大切な行事とされてきました。双方の家族が初めて正式に顔を合わせる場でもあり、未来の絆を確かめる場でもある。この儀式を進めるにあたって、しっかりとした準備と理解が求められます。
2. 結納の場所と選び方
伝統的には新婦の実家で行うことが多い結納。この場所を選ぶ理由は、新婦の家族に対する敬意や、新婦がこれまで過ごしてきた場所での新たなスタートを祝う意味が込められています。しかし、現代では、遠方や都合によりレストランやホテルでの結納が増えてきました。場所選びのポイントは、双方の家族が心地よく、リラックスして儀式を進められる環境を選ぶことです。
3. 結納の最適な時期
結納の時期は、結婚式の3〜6ヶ月前が一般的です。選ぶ日取りに関しても、伝統的には縁起の良い日や吉日を選ぶことが多いです。天気や季節も考慮に入れ、最も気持ちの良い日を選ぶのがベストです。
4.正式結納と略結納のちがい
「正式結納」とは
正式結納は、両家の間を取り持つ「仲人(なこうど)」が付きます。
その仲人が両家の間を行き来し、「結納品」や「受書(うけしょ)」のやりとりをします。「正式結納」は仲人が仲立ちをするので、両家同士は直接会うことがないのが大きな特徴です。
近年では、仲人への負担の大きさを考慮し、正式結納をする人は減ってきていますが、「正式」という名がつく通り、最も格式が高い結納の形といえます。
「略式結納」とは
略式結納は、料亭やレストランなどに両家が集まり、その場で結納品を納めるという形式で進められます。
正式結納同様、仲人を立てて行われる場合と仲人を立てずに両親もしくは本人同士で進行する場合があります。
結納としての儀式的で厳かな要素は残しつつも、仲人無しで進行したり、両家が顔を合わせて進められたりする点が正式結納とは大きく異なります。
★地域でも違いがあるので注意!「関東式」「関西式」
結納は大きく「関東式」と「関西式」に分かれます。両者の違いはそれぞれ以下の通りです。
関東式:男女の立場が同格扱いで、互いに結納品をとりかわすスタイル
関西式:結納品は男性から女性に贈るもので、女性からの結納品は無い
関東式、関西式で結納品のとりかわし方に違いがあり、式の一連の流れや結納飾りの品目数にも違いがあるという点をまずは頭に入れておきましょう。
どちらの方法で行うか両家でしっかり話し合って決めましょう。
5.結納に必要なアイテム
結納を執り行う上で必要なアイテムをみていきましょう。
1.結納品
結納の品目は9.7.5.3の奇数が基本で9品が正式とされています。結納品は、関東式と関西式で違いがありますので、それぞれのスタイル別に紹介していきます。
【関東式の9品】
関東式の基本となる9品は以下の通りです。
目録(もくろく) 結納品の品名を書いたリスト
家内喜多留(やなぎだる) 食事代とお酒代
末広(すえひろ) 白い扇子
友白髪(ともしらが) 白い麻紐や麻糸
子有婦(こんぶ) 昆布
寿留女(するめ) スルメ
勝男節(かつおぶし) 鰹節
金宝包(きんぽうづつみ)
御帯料(おんおびりょう) 結納金
長熨斗(ながのし) あわびを伸ばしたもの
関東式の場合は、これらを、白木台1台にまとめて乗せます。
【関西式の9品】
以下が関西式の9品です。関西式の場合、5品~9品が一般的です。
家内喜多留(やなぎだる)酒料 お酒代
松魚料(まつうおりょう・しょうぎょりょう) 食事代
寿恵廣・末広(すえひろ) 白い扇子
高砂(たかさご) 白髪の老夫婦人形
子有婦(こんぶ) 昆布
寿留女(するめ) スルメ
小袖料(こそでりょう) 結納金
結美和(ゆびわ) 婚約指輪
熨斗(のし) あわびを伸ばしたもの
関西式では、1台につき1品ずつを乗せるのが正式とされています。
関東式と関西式では、同じものでも呼び名が変わったり、品数が違う場合もあります。
2.婚約記念品
女性には指輪、男性には時計など、高価な宝飾品を贈るのが一般的です。ちなみに、関西式では指輪は結納品のひとつです。すでに婚約指輪をもらっている場合は、目録に入れるだけでも大丈夫です。男性への婚約記念品は本人がほしがるものを贈ることもあります。
3.受書・家族書
結納品を確かに受け取ったしるしに渡すのが「受書(うけしょ)」です。本来は受け取る側が書いて渡すものだですが、現在は結納品購入時についているものを事前に控えておき、当日改めて渡せば大丈夫です。
「家族書」は、互いの家族を紹介するものです。両家で準備しておきましょう。
4.結納金
結納金とは、結納をおこなう際に男性の家から女性の家へ贈られるお金です。結納金の意味は、「女性が嫁入りの準備をするためのお金」です。
昔は花嫁衣裳として、「着物などの現物」が結納品として贈られていたものが、時代の流れによって今の結納金というスタイルに形を変えてきました。
気になる金額については、男性側から女性側へ贈る結納金の相場は、91.2万円とされており、50万円、100万円など、キリのいい数字で贈る人も多いようです。
結納金に対する女性からの「結納返し」は、現金の場合の相場は38.5万円で、関東は結納金の半額、関西では1割というのが一般的です。このように、地域差もあるため、結納返し自体をしない場合もあるようです。
最近はお金ではなくスーツや腕時計など品物で返すケースも多くなっています。
略式結納の場合ですが、具体的にこれが略式結納という決まりはなく、結納を簡略化して行うことを指しています。
よって、準備物のベースは正式結納ではあるものの、省略されているものがありますので、ご紹介していきます。
1.結納品
結納品は、正式結納と同じく9品というケースもあれば、省略して7.5.3品とする場合もあります。最近は、結納金と結納記念品のみの交換の場合もあり、結納品を用意する・しないというのは人によります。
しかし、略式でもせっかく結納をするのであれば、以下3品目はあった方が見栄えも華やかになるのでおススメです。
①熨斗(のし)
②末広(すえひろ)
③結納金
2.婚約記念品
正式結納同様、婚約記念品は基本的には婚約指輪とお返しの時計などです。婚約指輪と時計は飾る台も結納品の1つとして用意をしましょう。
婚約記念品は時計以外にもスーツやビジネス小物の場合があります。そういった場合は目録を用意するとよいでしょう。
3.受書・家族書
略式結納の場合は、目録と受書は必要ですが、家族書や親族書は省略することもあります。ただ何かあった際に便利なものなので、迷ったら念のため用意しておくことをおすすめします。
4.結納金
結納金は正式結納同様、100万円、50万円というキリの良い数字、結納返しは半返し、もしくは1/3返しが一般的です。
結納返しも地方によって変わりますが、最近は結納返しは無しとするケースや、結納返しに品物を贈る人も増えています。
6. 家族の服装: どんなドレスやスーツが良い?
結納の際の服装は、格式の高い儀式であることを意識して、伝統的には正装を基本とします。しかし、近年では少しカジュアルな服装でも受け入れられることが増えてきています。具体的な服装の選び方を以下に詳しくまとめます。
本人(新郎・新婦)の服装
【新婦】
着物: 未婚の女性の第一正装の振袖はとても華やかですし正式な場所にふさわしくお相手のご家族にも良い印象を与えることができます。
ドレス: シンプルなデザインのワンピースやセミフォーマルなドレスが適しています。あまり華やかすぎるものや露出が高いものは避けるのが無難です。
【新郎】
スーツ: 暗色のスーツを基本とし、ネクタイやポケットチーフも忘れずに。白いシャツに、濃いめの色のネクタイが無難です。
和装: 着物の場合、紺無地や黒紋付きなどの正装を選びます。
【母や姉妹】
着物: 訪問着や小紋など、新婦よりも控えめなものを選ぶのが一般的です。
ドレス: シンプルなデザインのワンピースやセミフォーマルなドレス。
【父や兄弟】
スーツ: 暗色のスーツ。結納が昼間の場合、グレーや紺色のスーツも適しています。
和装: 紺無地やストライプの羽織袴など。
ポイント:
結納は、両家が結婚の意志を確認し合う重要な儀式であるため、華美すぎる服装やカジュアルすぎる服装は避けるのが望ましいです。
地域や家の伝統、宗教などによっても服装の習慣が異なることがありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
着物を選ぶ場合、帯や小物とのコーディネートも重要です。適切な組み合わせで、格式を保ちつつもおしゃれに仕上げることができます。
最後に、結納は心の準備が大切ですが、見た目の準備も重要です。本人や家族が心地よく、自信を持って結納の儀式に臨むための服装を選ぶことが求められます。
まとめ
結納は結婚において大切な儀式であり、その場所や時期、必要なアイテム、家族の服装など、多くの準備が必要です。適切な知識と理解をもって、この特別な日を迎えることで、新しい家族との絆がより深まるでしょう。
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